Bitcoin XTとは、外部からの攻撃に弱いというBitcoinの脆弱性に対して抜本的な修正を加えた、Bitcoinの新しいバージョンのことで、Bitcoin CommunityのチーフサイエンティストであるGavin Andresen氏らにより2015年に提供が開始したと発表されました。
Bitcoin XTではセキュリティ面の強化の他にも、ブロックチェーンのブロックサイズが1MBブロックから8MBブロックに拡張され、取引遅延の発生の軽減や、将来的な発行量の拡大にも対応が図られています。
しかしながら、Bitcoin XTには既存のBitcoin(Bitcoin-Qt)とは互換性がなく、Bitcoin-QtからBitcoin XTに乗り換えるためには両替所などでの為替切り替えが必要となってしまいます。
またブロックチェーンが大きくなったことにより取引の処理が迅速になる半面、処理に必要なリソースも増え、結果としてマイニングにハイスペックなマシンが必要になりマイニングのコストが増大する、ひいては潤沢な資金を用意できる者が実質的にBitcoinを支配できてしまう、という可能性があると問題視されました。
結局のところ、Bitcoin XTは早々に撤回され、その代わりに2016年に香港で開かれた国際会議においてBitcoinの将来について議論が行われ、ブロックサイズを2MBにすることなどが決定されました。