仮想通貨【総合】

ビットコイン決済は手数料が安いのはなぜか

はじめに

最近は日本国内でもビットコイン決済が利用できるお店が増えています。クレジット決済などと比較するとビットコイン決済を利用した方が決済手数料が安くなります。

ビットコイン決済のコストが安いのは、アドレス間でのビットコイン決済手数料が安いからです。一般的な決済では、数十円程度で送金ができます。徴収される手数料は、マイニング報酬としてマイナーに与えられます。

ビットコイン決済の手数料は送金額ではなくてデータ量によって決められ、自分で指定することができます。多めに指定すれば、優先的に決済処理が行われます。

ビットコイン決済と他の方法の決済手数料の比較

一般的に現金以外で決済を行うと、決済手数料が必要です。仮想通貨の世界でも同じで、モノやサービスの購入代金としてビットコイン決済を利用すると、決済行為そのものに対する費用がかかります。
決済を行う際に必要な手数料の例ですが、国際ブランドのクレジットカードであれば決済代金に対して4%~7%(業種やクレジットカード会社ごとに違う)、銀行振込であれば108円かそれ以上かかります。
ビットコイン決済を利用すれば、お店が負担する決済費用は支払代金に対して1%です。ちなみにお店がビットコイン決済を導入する方法は、取引所の決済サービスに登録して指定されたソフトウェアをパソコンまたはタブレット端末にインストールするだけです。現在は、お店がビットコイン決済システムを導入するための取引所の登録費用や会費などは一切不要なので、クレジットカードや従来型の電子マネーよりも手数料が安価で済みます。
ビットコイン決済を利用して国際送金を行う際も格安の費用で振込ができます。日本円を取引所のアカウントに入金してビットコインを購入して、送金先の取引所が指定したアドレスにコインを送金して現地通貨に換金し、指定した銀行に出金します。トータルで支払う手数料は千円かそれ以下で済みます。これに対して都市銀行の国際送金サービスを利用する場合には5千円かそれ以上の費用がかかります。ビットコイン決済を上手に活用すれば、格安料金で国際送金が利用できてしまいます。
低コストでビットコイン決済ができる理由は、コインアドレス間でビットコインを送金する際のコストが数十円程度と非常に安いからです。その気になれば、無料でビットコインを他のアドレスに送金することも可能です。

送金の仕組みとマイニング報酬の関係

ビットコインを決済に利用する際のコストが低い理由は、コインアドレス間での送金(送信)手数料が安く設定することができるからです。
紙幣や貨幣が存在しないビットコインの正体は、インターネット経由で送受信されるコンピュータのデータ(文字列)です。ビットコイン決済手続きでコインを他のアドレスに“送金”する場合には、インターネット利用してデータを送信する必要があります。厳密には、ビットコインの全ての取引情報が記帳された取引台帳であるブロックチェーンに送金情報を記録してもらうことに相当します。例えばAというアドレスからBというアドレスに1BTCを送金する場合には、ブロックチェーンに“AからBに1BTC送金した”という情報を記帳すれば送金手続きが完了したことになります。
ブロックチェーンに送金データの書き込みを行うのは、マイニング作業を行うマイナー(採掘者)の仕事です。マイナーにブロックチェーンにデータを書き込んでもらうための代金が、ビットコインの利用者が送金時に指定(送金するコインに余分に上乗せ)する送金手数料です。
送金時に上乗せする金額の決め方は、送金額ではなくて送信する(ブロックに格納する)データ量によって決まります。送信するデータ量(1バイト)あたりの金額を、送金を行う側の人が自由に設定することができるようになっています。仮に全く同じ金額のビットコインを送金する場合であっても各回のデータ量は異なるため、送金時に上乗せするコインの金額が異なります。
一般的にビットコインの送金時に数十円程度分に相当する額のコインを、送金するコインに上乗せして手続きを行います。上乗せする金額には最低または最高額が決められている訳ではなく、送金する人が自由に指定することができます。

ビットコイン決済時の手数料と送金時間の関係

管理者や特定のホストコンピュータが存在しないビットコインの世界では、マイニング作業によって送金手続きが承認されています。新規に発行されるコインと送金サービスの利用者が支払う送金手数料の合計が、マイニング作業に対する報酬として支払われます。
マイナーは送金案件を取りまとめてブロックを作成する際に、1バイトあたりの送金手数料が多い案件(トランザクション)を優先的に処理(承認)することができる決まりになっています。10分の間に提出される全ての送金案件が1個のブロックに格納できれば問題ありませんが、ブロックのサイズが限られているため、1度に全ての送金取引の案件を処理することができない場合があります。このような場合、手数料が多く指定された取引から優先的に処理が行われます。手数料を少額またはゼロに指定した場合には手続きが後回しにされてしまい、送金が完了するまでに時間がかかってしまいます。
手数料を少額に設定して処理が後回しにされた場合でも、時間が経過した送金案件は自動的に承認の優先順位が高くなるようなシステムになっています。そのため、手数料を少なくして送金手続きを行ったとしても時間がかかるものの、送金手続きがキャンセルされることはありません。送金が承認されるまでに時間がかかっても構わないのであれば、ビットコイン決済時にマイナーに支払う費用をゼロにすることすら可能です。この事が、ビットコイン決済時のコストが安いと言われる理由のひとつです。
ビットコイン決済の世界では、送金時に上乗せする手数料は温泉旅館で女将さんに渡すチップのようなものです。チップを多めに支払えば質の高いサービスを受けることができますし、渡さなければそれなりのサービスしか受けられません。ビットコインの世界ではマイナーに支払うチップに“相場”が存在し、他の人が支払う金額との差によって送金処理の優先順位が決定されます。

送金手数料の計算方法とマイニング報酬の内訳

ビットコイン決済を利用する際はマイナーに少額の“チップ”を渡すことで優先的に処理をしてもらうことができます。マイナーに渡すチップの金額は、ウォレットアプリから送金する際に自分で指定します。一般的に手数料は送信するデータ量に応じて1バイトあたりの金額(satoshi)で決められます。一般的な相場は1バイトあたり10~100satoshi(1satoshiは1/100,000,000BTC)です。2017年現在、10分間に1個生成されるブロックのデータサイズは最大1MBで、最大件数は4千件です。ただし1件あたりの平均データ量が約0.5kバイト(約500バイト)なので、毎回平均2千件程度(1秒あたり約3件)の送金依頼が承認されています。
1件あたりの送信データ量が0.5kBで1バイトあたり10satoshiの送金手数料を指定した場合、マイナーに支払われる報酬額は5,000satoshi(10satoshi×500バイト)となります。2017年6月現在はビットコインの相場は1BTCあたり30万円前後なので、5,000satoshiであれば日本円換算で約15円に相当します。マイナーに渡すチップを少し多めに指定して、1バイトあたり50satoshiとした場合(25,000satoshi)でも日本円に換算すれば75円程度なので、銀行振込よりも低コストで送金ができることが分かります。
ほとんどのウォレットアプリでは送金操作を行う際に、送金額に上乗せするコイン(マイナーに支払う報酬)を3段階で指定することができるようになっています。
ちなみにマイナーが受け取ることができる報酬は、1ブロックあたり0.1~1BTC(3万円~30万円)程度の手数料収入と、新規に発行される12.5BTC(約380万円)の合計額となります。マイナーが受け取る報酬は新たに発行されるコインの方が高額なので、手数料が少なくても大丈夫なのです。

送金遅延と決済費用の関係

一般的にクレジットカードや銀行、従来型電子マネーの決済手数料は運営会社が指定した金額または割合で固定されています。これに対してビットコインの世界では、送金を行う際の事情に合わせて自由に手数料の割合を決めることができます。
現在は1つのブロックに収まり切れないほど大量の送金(トランザクション)が発生しているので、早く決済を済ませたければ手数料を多めに指定する必要があります。ビットコインの世界では送金手数料の割合は一定ではなく、“相場”が存在します。そのため、多くの人がビットコイン決済を行うと、送金時にかかるコストの相場が高騰します。
2017年現在において、ビットコインは秘密鍵の情報もブロックに格納するような仕様になっています。このため送信データ量が多くなってしまい、他の仮想通貨よりも余分の送金コストがかかってしまいます。これに加えて2016年以降には、最大1MBに制限されるブロックに格納できずに溢れてしまうトランザクションが生じており、慢性的な送金遅延が発生しています。
ブロック内に全てのトランザクションを格納することができない問題(ブロックサイズ問題)を解決するために、ビットコインの開発者グループは2017年夏ごろを目処にビットコインの仕様変更を計画しています。新しい仕様ではブロックサイズを2MBに増やし、秘密鍵の情報をブロックに格納しないようにして送金する際のデータ量を4割程度カットするというものです。ブロックに格納するデータ量を減らせば送金コストが安くなりますし、送金遅延問題も改善されます。開発者側が提案する案ではトランザクション1件あたりのマイニング報酬が現在よりも減ってしまうため、中国のマイナーグループが反対しています。このため予定通りに仕様変更が行われるかどうかは、不透明な部分があります。

まとめ

ビットコイン決済時のコストが安い主な理由は、アドレス間でコインを送金する際の手数料が数十円程度と非常に安いことです。ビットコインを送金する際はマイナーに承認してもらう必要があり、手続きの優先順位を上げてもらうためにマイナーに少額の“チップ”を渡す必要があります。ただし、優先度が低い取引でも送金処理は行われますし、マイナーはブロック生成時に新規に発行される多額のビットコインを受け取ることができるため、ビットコイン決済時の手数料は他の決済方法よりも安くなります。

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