ビットコイン(BTC)

ビットコインを使った闇取引の増加…アメリカ国家の対応は?

はじめに

こんにちは!ビットコイン・仮想通貨専門WEBマガジン「ビットカレンシー」編集部です。本日は、ビットコインを使った闇取引の増加…アメリカ国家の対応は?についてです。

犯罪者は闇サイトや仮想通貨を利用することで摘発を逃れてきましたが、当局(アメリカ合衆国FBI)は高い技術を用いて捜査の網を逃れようとする犯罪者に対抗しています。多くの闇サイトが摘発されています。

ビットコインと闇サイトの歴史とは

2013年10月に、アメリカ合衆国FBIはビットコインを利用して違法取引が行われていた闇サイトであるシルクロード(Silk Road)を摘発しました。シルクロードでは多くの違法薬物が闇取引されており、決済にビットコインが使用されていました。シルクロードが摘発された際の取引金額ですが、全世界のビットコインの取引高の1割を占めるほどでした。

世界で初めてビットコインと現金または商品との交換が行われたのが2010年です。それから1年後の2011年に違法取引を行うシルクロードが開設されました。

仮想通貨が誕生してからたった2年で犯罪取引に利用されていたことになります。ちなみに2013年におけるビットコイン価格は3万円程度で、多くの日本人はビットコインの存在すら知らないような時代でした。

シルクロードの摘発後にシルクロード2.0と呼ばれる闇サイトが開設されましたが、これも2014年12月にFBIによって摘発され、閉鎖されました。

仮想通貨を利用した闇サイトとしてシルクロードが有名ですが、他にも10以上の闇サイトが存在します。いずれのサイトも、仮想通貨を利用して商品のやり取りが行われています。

ビットコインを含めて仮想通貨は相場の変動が激しく、決済に利用しにくいというデメリットがあります。それでも仮想通貨には現金取引よりも多くのメリットがあるため、違法取引に利用されています。


現在もビットコインを用いた闇取引が行われているが容易に推測できます。捜査機関による摘発を逃れるために、多くの闇サイトはサーバーを特定されないように特殊な方法で接続をしないと利用できないようになっています。

これに対して違法取引が行われる闇サイトを摘発するための操作技術も進歩しています。

アメリカ合衆国FBIは闇サイト摘発のための技術開発を続けており、現在も違法取引を行うサイトと捜査当局のいたちごっこが続いています。

ビットコイン(仮想通貨)が違法取引に利用される理由とは

ビットコインは早い段階から違法な闇取引に利用され始めました。ビットコインが違法行為に利用されるようになった理由は、仮想通貨の持つ特有の性質が関係しています。

仮想通貨が誕生する前であれば、違法薬物などの取引の際には現金または他人名義の銀行口座などが利用されていました。現金取引であれば直接接触をしなければならず、おとり捜査で摘発されてしまうリスクがあります。

他人名義の銀行口座を利用すると利用者を特定しにくくなりますが、ATMや銀行窓口には監視カメラが設置されているため、捜査の際の足掛かりになります。このため闇取引を行う際は、商品の送付時よりも代金の支払い時の方が摘発のリスクが高くなります。

ビットコインや他の多くの仮想通貨はインターネットに接続することができる端末があれば、誰でも自由にコインを送金することができます。売人と顧客が直接接触する必要がなく、おとり捜査で摘発されるリスクが低くなります。

ビットコインであれば誰でも自由にコインアカウント(口座)を作成することができます。コインアカウントを作成する際に身元確認などを行う必要がないため、ビットコイン利用者と特定の個人を結びつけることができません。

これに加えてインターネット上で簡単にビットコイン取引ができるので、遠く離れた場所にいる相手でも匿名送金ができます。

仮想通貨は供給量や発行上限が決められていますが、誰でも自由に利用することができます。銀行口座が違法行為に利用されたことが判明すると閉鎖されて資金が凍結されてしまいますが、管理者不在の仮想通貨のアカウントは誰にも閉鎖したり資金を凍結することができません。

仮想通貨は匿名性が高くて誰でも自由に利用することができ、誰にも管理されていないという特徴があります。そのため、仮想通貨は闇取引の決済に便利な通貨なのです。

非合法取引を行う闇サイトの技術とは

闇取引の支払い手段としてビットコインは便利なツールではありますが、違法に取引される商品を購入するために闇取引専用の闇サイトが必要になります。

闇サイトのサーバが判明すれば、サイトの管理者や顧客が摘発される恐れがあります。一般的にインターネットを利用した違法行為の摘発する際は、捜査当局はサーバーに残されているIPアドレスを調べれば犯人が特定することが可能です。

闇取引を行うためのサイトについても、サーバーが特定しにくいように巧みに“隠されて”います。シルクロード2.0やその他の闇サイトは操作を逃れるために、サーバが特定されにくい匿名通信技術(Tor トーア)を利用していました。

一般的にブラウザを利用してネット上のサイトにアクセスすると、サイトが置かれているサーバーにアクセスした人のIPアドレスが残ります。Tor 技術ではサイトにアクセスする際に複数のリレー用サーバーを中継することで、サイトには中継サーバーのIPアドレスだけが残されます。

中継サーバーは世界中に6000以上存在しており、接続記録(ログ)を残さずに暗号化した上で信号が処理されるため、捜査当局に摘発されても接続者の情報は分かりません。中継経路はランダムに変化するため、サイトの利用者を追跡することは困難です。

Tor通信を利用するための専用のブラウザが存在し、専用ブラウザを利用しなければ闇サイトに接続できないような仕組みになっています。

Tor専用ブラウザを利用して闇サイトに接続して取引を行い、個人を特定することが不可能な匿名性の高いビットコインで決済を行えば、理論上は捜査当局は闇サイトを摘発することができない事になります。アメリカ合衆国の捜査機関であるFBIは、Torによる匿名通信が行われた際も闇サイトを特定するための技術を開発しています。

犯罪者に対抗するアメリカ合衆国FBIの技術とは

違法薬物などを購入する“顧客”がTor通信で闇サイトにアクセスしても、接続を行った人のコンピュータの中にはサイトのIPアドレスに繋がる情報は含まれていません。

サイトを利用した際に代金の決済に使用したビットコインのアドレスを追跡すれば闇サイト管理者のコインアドレスも判明しますが、コインアドレスだけで個人を特定することは不可能です。仮にビットコインを追跡しても取引所で換金されるまでの間に、コインが「善意の第3者」の手に渡ってしまう可能性があるからです。

アメリカ合衆国FBIが匿名通信で姿を隠した「シルクロード2.0」を特定する際に、Tor通信が抱える脆弱性が利用されました。通常、Torブラウザで闇サイトに接続しても利用者のコンピュータには中継サーバーのIPアドレスしか残されていません。

ところがTorブラウザにAdobe Flashがインストールされていると、Tor通信を回避して利用者のパソコンと闇サイトで直接通信が行われるようになっていました。

FBIはTor通信の脆弱性を利用することで、Adobe Flashがインストールされた状態で闇取引を行った人のパソコンに残されていたIPアドレスからシルクロード2.0のサーバーを特定し、摘発を行いました。

闇取引を行う者はIT技術を駆使して捜査を逃れるようにしていますが、摘発を行うアメリカ合衆国の捜査機関も犯罪者を上回るIT技術で対抗しています。

Torの脆弱性を利用して違法取引が行われるサイトを発見した方法はほんの一例にすぎず、FBIは現在も犯罪者を摘発するために新たな技術を開発し続けています。

現在、闇取引が行われるサイトは数ヵ月~1年程度で閉鎖されています。今も当局と犯罪者とのいたちごっこが続けられているのです。

仮想通貨を利用した違法取引の将来とは

ビットコインの原論文「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System」の10. Privacyの項目では、コインアドレスからコインを送金した人を特定することができないため、個人のプライバシーが守られることが記述されています。

それでもビットコインの場合はコインの送金者や受取人のアドレス、送金金額、送金手続きを行った際のコンピュータのIPアドレスについての情報が残ります。

このため、ビットコインは仮想通貨の中では透明性が高い部類に入ります。近い将来、ビットコインそのものを追跡することで違法取引を行う犯罪者を特定するための技術が開発される可能性があります。

現在は、ビットコインよりも遥かに匿名性が高い仮想通貨が開発されています。ダッシュコインやモネロでは、取引を行った双方のコインアドレスを特定することが困難です。

Z-cashは送受信に利用されたアドレスだけでなく、コインを追跡することすら不可能です。

最近は、このように匿名性を重視した仮想通貨が特に人気を集めています。今後は透明性が高いビットコインではなく、匿名性が高い仮想通貨によって闇取引が行われるようになる可能性があります。そのため、違法取引を防ぐために、一部の国では仮想通貨を禁止するケースも存在しています。

注目すべき点として、FBIはシルクロード2.0などの闇サイトを摘発する際に、取引に利用されたビットコインの追跡は行っていません。サーバーに残されたIPアドレスを探すという“古典的な”捜査手法が用いられています。

犯罪者にとって仮想通貨そのものが“安全”であっても、サイトに接続する際の足跡を辿ることで足が着く可能性があるのです。

まとめ

仮想通貨は早い段階から違法取引に利用されてきました。これに対してアメリカ合衆国の捜査機関であるFBIは犯罪者を上回るIT技術を駆使して闇サイトの摘発を行っています。現在も犯罪者とFBIとのいたちごっこが続けられています。

注意すべき点として違法取引の決済に匿名性が高いビットコインが利用されていることは事実ですが、ビットコインそのものが違法行為の原因ではありません。仮想通貨が生み出されるよりも前から、別の方法で犯罪行為は行われてきたからです。仮想通貨を禁止しても、違法取引が無くなることはないのです。