ビットコイン(BTC)

これからどうなる?中国ビットコイン取引所が規制解除

はじめに

過去数年間においてビットコイン相場に大きく影響を及ぼしてきた要因として、仮想通貨に対する規制強化または規制解除があります。特に2017年4月の中国政府による取引所の解除の影響が注目を集めています。

ビットコインの大半が中国人によって保有・流通しています。この理由として、人民元は政府による規制が多く、信用されていないことが考えられます。それに加えて中国国内でマイニングを行う理由も存在します。

中共政権による仮想通貨の規制解除とビットコイン価格の影響を予測するために、過去に規制が設けられた際の価格変動に注目することができます。2013年に規制が設けられた際に、コイン価格は大暴落しました。

中国の規制がビットコインに大きな影響を及ぼす理由とは

ビットコインや他の仮想通貨は、価格変動が激しいという性質があります。価格の変動に大きな影響を及ぼす要因として、各国政府による換金・取引の規制強化または規制解除があります。特にビットコイン価格に大きな影響を及ぼしているのは、中国政府(共産党政権)による規制です。


仮想通貨の世界は国境が存在しません。そのため、ある特定の国の政府が規制を設けたとしても仮想通貨取引そのものを止めることができません。それでも法定通貨との交換が規制または解除されると、仮想通貨の時価総額に大きく影響を及ぼす場合があります。

特にビットコインの利用者が多い国の政府による規制が、コイン価格に大きな影響を及ぼします。ビットコインと交換が行われている通貨で最も多いのが人民元です。

2015年前半期においては、8割ものコインが取引所で人民元と交換されていました。これに対して米ドルは約19%、ユーロは1%程度に過ぎませんでした。人民元は外国への持ち出しが厳しく制限されているため、2015年時点で中国人がビットコインの約8割を保有していることになります。

中国国内における仮想通貨に関係する規制が、ビットコインやその他の通貨の価格に非常に大きな影響を及ぼしていることが分かります。


仮想通貨関連で注目すべきニュースとして、中国政府は2017年4月に仮想通貨取引所での取引に関する規制を解除しました。今回の規制解除により、取引所で人民元とビットコインとの交換が活発に行われるようになると考えられます。

2017年3月頃は1BTCあたり10万円台前半でしたが、たった2ヶ月間で1BTCあたり30万円を突破しています。ビットコインやその他の仮想通貨の価格を予想する上で、今後も政府の動向に注目が集まっています。


ちなみに香港や台湾では仮想通貨に対する規制が緩く、以前から自由に取引が行われています。

中国人が管理者不在の仮想通貨を信用する理由とは

非常に多くのビットコインが中国人によって取引が行われています。これにはいくつかの理由が考えられます。


最も大きな影響を及ぼしているのは、人民元が政府(共産党)によって完全に管理されていることです。米ドル・日本円・ユーロなどの主要通貨は世界中で自由に取引を行うことができるので、自由に外国に持ち出すことができます。

ところが人民元は国外への持ち出しが厳しく制限されているため、国内に住む富裕層は資産を安全に保管するための手段を必要としています。さらに人民元の価値(米ドルの交換レート)は中共政府によって“支配”されています。

共産党政権の意向で簡単に相場が変えられてしまうので、人民元はあまり信用されていません。共産党政権が樹立される以前の中国大陸では、複数の王朝によって支配されてきました。時代と共に王朝が興隆・滅亡する度に貨幣制度が変えられてしまい、それまで流通していた貨幣が“紙屑”になってしまいました。

中国では歴史的に政府や、政府が発行する通貨に対する信用が低いという事情があります。このため今も中国では純金などの実物資産の形で財産を保管する習慣があります。ところが資産流出を恐れた金融当局によって、金取引も規制されてしまいました。


人民元に対する信用が低い上にゴールド取引も厳しく規制されているため、富裕層が資産を安全に保管したり国外に持ち出すための手段として管理者不在の仮想通貨が注目を集めています。

人民元を米ドルに両替して国外に持ち出す際は面倒な手続きが必要ですが、仮想通貨を利用すれば多くの金融規制を回避することができるからです。


一般の日本人であれば、管理者不在の仮想通貨など信用することはできないと感じるかもしれません。これに対して中国人の感覚では仮想通貨は政府によって管理されていないので、最も信用できる存在なのです。仮想通貨は現代の中国で最も必要とされています。

中国でマイニングを行う理由とは

中国人が所有するビットコイン残高は世界一ですが、マイニングの計算能力(ハッシュパワー)の点でも世界一です。ビットコインやその他の仮想通貨は取引所で現金と交換することで入手することができますが、マイニング作業を行うことでも得ることができます。

ただし、マイニングを行うためには計算機で計算を行う必要があります。ビットコインの場合にはSHA-256と呼ばれる関数を使用して、一定の個数のゼロが続く「解」が得られるような入力値「key」を算出しなければなりません。keyが得られると、新規に発行されるコインとブロック内の送金手数料を得ることができます。

2017年6月時点であれば新規に発行されるコインが12.5BTCで、手数料は1BTC弱程度です。keyが得られた場合の報酬額を日本円に換算すると、390万円前後(1BTCあたり約30万円)となります。


ビットコインのマイニング難易度は非常に高く、keyを見つけるためには膨大な計算量を必要とします。計算機を動かしたり、発熱する計算機を冷却するための空調設備に多くの電力を消費します。

そのため、ビットコインのマイニングで利益を得るためには電気代が安価な地域で行う必要があります。中国は電気代が非常に安く、1kWhあたり約4円です。

1kWhあたりの電気代を他の国と比較すると、デンマーク(約33円)、日本(約30円)、ドイツ(約25円)、イギリス(約23円)、アメリカ合衆国(約12円)、インド(約7円)です。

同じ計算機を利用しても、日本の1/7以下の電気代でマイニングができます。中国ではビットコインの所有金額に加えてマイニングのハッシュパワーについても世界一を誇り、ビットコイン相場に大きく影響を及ぼす要因のひとつになっています。

中共政府の規制とビットコイン価格との関係とは

香港と台湾については日本と同様に規制が緩く、以前から仮想通貨と現地通貨の交換が自由に行われています。これに対して中共政府は過去に何度か仮想通貨と人民元との交換に関する規制を設けており、この時にビットコイン相場が大きく変動しました。


最も大きな変動が生じたのは2013年12月です。中共政府によって、金融機関においてビットコインと現金の交換が全面的に禁止されました。取引の規制が実施される直前の11月には1BTCあたり12万円台の最高値を付けていましたが、約3ヶ月後の2014年2月には1BTCあたり6万円前後と約5割も急落しています。

ちょうどその頃、世界最大の仮想通貨取引所であったMt.Goxが突然閉鎖され、ビットコイン市場は大混乱しました。Mt.Gox閉鎖のニュースでも相場が急落しましたが、それでも1BTCあたり6万円弱から4万7千円程度に下落した程度でした。中共政府による仮想通貨の取引規制の影響がいかに大きいかがよく分かります。


その後1BTCあたり2万円台まで下落しましたが、2回目の半減期を迎えてから再び値上がりに転じ、2016年12月には11万円台まで高騰しました。2017年2月には中国国内での取引所で仮想通貨と人民元の交換が全面的に禁止されました。取引の禁止は約2ヶ月続きましたが、4月11日に解禁され、この直後にビットコイン相場は急騰しました。


過去に中共政府による仮想通貨取引の規制強化・緩和政策により、ビットコイン相場は大きな影響を受けています。2017年時点では人民元での取引高は3割程度まで低下していますが、それでも中国における仮想通貨取引が相場に大きな影響を及ぼしていることは変わりません。仮想通貨投資を行う際は、中国における規制を考慮することが重要なのです。

中共政府による仮想通貨の規制解除の背景と今後の動向とは

これまで仮想通貨取引に対して好意的ではなかった中共政府が、2017年4月に取引規制を解除した理由として複数の要因が考えられます。


最大の理由は、インターネットで簡単に取引ができる仮想通貨を規制すること自体が不可能であることです。中国を含めていくつかの国では、資産流出を恐れて仮想通貨取引または利用が禁止されていました。

それでもインターネットを利用すれば、誰でも簡単に仮想通貨の取引ができます。国際ブランドのクレジットカードやデビットカードを利用すれば、海外の販売所を通して簡単にコインを購入することができます。

このため、仮想通貨取引を禁止する規制を設けること自体が無意味です。国内での仮想通貨取引を禁止すれば国外の業者を通して資産が流出するため、金融当局が資金の流れを把握することが困難になります。

逆に国内での取引を解禁すれば、金融当局がお金の流れを把握できるようになります。取引所のアカウント開設時に本人確認を徹底すれば、マネーロンダリングや脱税を防ぐこともできます。


中国が仮想通貨取引を解禁した背景には、仮想通貨の利用を禁止することが無意味であることと、取引所を公認すれば金融当局が資金の流れを把握できるようになるという事情があります。

アカウント開設時のルールや資金の流れを金融当局が把握できるよう仕組みが整ったので、2017年4月に取引所における取引が解禁されたと考えられます。


中国は世界的に仮想通貨の需要が非常に大きい地域なので、4月の規制解除によって多額の資金がビットコイン市場に流入することが予想されます。実際に中国国内での仮想通貨取引の規制解除後には1BTCあたり30万円を突破しています。

最近の中国では投資目的ではなく、キャッシュレスで支払いを行う目的でビットコインを利用する人が急増しています。仮想通貨は発行枚数が限られているので、今後も普及が進めばコイン価格が上昇することが考えられます。

まとめ

中共政府による仮想通貨の取引規制はビットコイン価格に大きな影響を及ぼしています。2013年12月に取引の規制が設けられた際はビットコイン価格が大暴落しました。これに対して2017年4月以降は中国国内での取引所における仮想通貨取引が解禁されたことで、コイン価格が急騰しています。


現在は米ドルや日本円とのビットコイン取引が増加しているため、以前よりも中国人の影響力は少なくなっています。それでも世界で最も仮想通貨を必要としている中国人が自由にビットコイン取引ができるようになったことで、多くの資金が流入することが予想されています。